各種合成繊維、無機繊維は繊維表面が疎水性であるため、水になじみにくく、繊維同士の凝集や泡の
付着を招き湿式抄紙が困難であるという問題があります。
分散剤を繊維に前処理することによって水になじみ易くしたり、繊維同士の反発を促すことで結束繊
維のない良好なシートを得ることができます。
PPS繊維の分散スラリー中に分散剤を添加し、撹拌1分後の状態を観察しました。
処方No | 1(ブランク) | 2 | |
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メイカサーフ MK-37 |
対繊維有姿% | 1.0 | |
撹拌1分後の写真 |
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分散剤未添加のサンプルはすぐに繊維が浮き上がるのに対し、分散剤添加サンプルは良好な分散状態を維持します。
1) 水中での分散性判定試験と同様にミキサーで処理し、所定の濃度に調整します。
2) 分散剤を加えてTAPPI 抄紙機を用いて抄紙します。
3) 乾燥したシートの地合により分散性を判定します。
例1.ガラス繊維
分散剤なし メイカサーフDA-2 対繊維2%
分散剤なし メイカサーフMK-37 対繊維2%
繊維種 / 分散剤 |
メイカサーフ BP-25 |
メイカサーフ DA-2 |
メイカサーフ MK-37 |
メイカサーフ MK-38 |
パスコール HA-52 |
パルセット HA |
ラッコール AL |
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PE |
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○ |
○ |
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PP |
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○ |
○ |
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PET |
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○ |
○ |
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PPS |
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○ |
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レーヨン |
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○ | |||||
アラミド |
○ |
○ |
○ |
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カーボン |
○ |
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○ |
○ |
○ |
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ガラス |
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○ |
○ |
○ |
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セラミック |
○ |
※本表はあくまでも目安です。
実際は対象繊維の表面処理状態によって適切な分散剤が変わりますので、
予め試験を行って分散性を確認する必要があります。